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外務省セミナー「学生と語る」外務省の仕事から国際情勢まで

外務省では国際問題に関心を持つ学生を対象に、例年外務省セミナー「学生と語る」を開催しています。外交の最前線で活躍する外務省職員と意見交換し、その仕事や国際情勢について理解を深める機会です。
2023年2月9日、外務省において開催された今年度の外務省セミナーではG7サミットに関連するテーマについて熱い議論が交わされました。
3年ぶりの対面開催となる本セミナーは、全体会・分科会の二部構成で行われ、セミナーの一部はオンラインでも配信、全国各地から総勢240名以上の学生が参加しました。
全体会
全体会は、吉川ゆうみ外務大臣政務官の開会のあいさつで始まり、続いてG7広島サミット事務局の内山卓郎(うちやま・たくろう)首席事務官が「歴史に残るG7サミットを作りたい」と強い意気込みを語りました。また、数多くの学生から、サミットの内容や外務省で働く意義について質問が寄せられました。


分科会「軍縮・不拡散」と質疑応答

第二部では、3つのテーマについて分科会が開かれ、このうち、G7に関連するテーマの一つでもある「軍縮・不拡散」の分科会では、外務省職員と学生によるディスカッションが行われました。則岡翼(のりおか・つばさ)軍縮不拡散・科学部軍備管理軍縮課課長補佐が、軍備管理・軍縮についての現状、日本が推進する取組についての概要説明後、学生たちにディスカッションテーマを投げかけました。
グループディスカッション

学生たちは6つのグループに分かれ、「核兵器のない世界の実現に向けて、日本がリードしていくための方策を考える」というテーマのもと、学生主導による討論が行われました。唯一の戦争被爆国としての責務、厳しい安全保障環境、国際社会の分断など多くの要素を含め、白熱した議論が展開されました。また、核について議論する機会をもっと増やすべきではないかという平和教育についての意見も多くあがりました。
グループ発表

グループごとに行われた発表では、対話を通した核についての教育などが提案されました。また、G7広島サミット開催に合わせて、首脳級の方々に実際に原爆ドーム、平和記念資料館の訪問や、被爆者の方の話を聞いてもらう機会があるとよいのでは、日本の平和教育を各国の要人に視察していただけないか、といった自由闊達な意見が述べられました。
参加者の声

広島から参加した大学生の横山さんは、「国際関係を学ぶ全国の多くの学生と議論し、そのレベルの高さに驚き、みなさんの学んできたことや知識の深みを感じて非常に刺激的な一日になった」と話していました。

分科会でリーダーを務めた大学院生の山田さんは、「小学生の頃、長崎原爆資料館・長崎市平和会館を訪れたことがあり、今回G7が広島で開催されるこのタイミングで、軍縮というテーマで同世代と議論ができて良かった」と感想を述べました。
同じくリーダーを務めた大学院生の土浦さんは、「G7広島サミットに向けて、核がもたらす脅威や影響を説明していくことで、唯一の戦争被爆国として、平和な未来に向けて前進させてほしい」と語ってくれました。